こんなの無理やん。。戦慄した「ディープフェイク詐欺」の現実と、僕らがすべき3つの対策

最近「AIってマジで神ツールやん!」って感動してるんですが、日経新聞を読んでたら「あれ?AIのヤバい使い方ってこういうことか…」ってゾッとする記事を見つけまして。
そう、「ディープフェイク」の話です。
私もIT系なんで技術的な面白さはわかるんですけど、これが悪用されると、マジで洒落にならないレベルの詐欺や情報操作ができるってことが、現実になってるんですよね。「AIで感動して泣いた」とか言ってる場合じゃないぞ、と。
今回は、私がAIとGoogle先生に聞いた、ディープフェイクの「今」と「これから」、そして「どう身を守るか」について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
1. 冗談抜きでヤバい…現実に起きたディープフェイク詐欺事件

ディープフェイクはもうSFの世界の話じゃありません。実際に巨額の被害が出ています。
事例1:40億円が消えた!英国企業「アラップ」の戦慄詐欺事件
今回この記事作ろう思ったきっかけがこれです。英国の大手エンジニアリング企業「アラップ」が、約40億円(2500万ドル)もの巨額な詐欺被害に遭いました。
手口が巧妙すぎます。社員の元に「英国本社のCFO(最高財務責任者)になりすました人物」から、極秘の送金に関するメッセージが届いたらしいんです。そして、そのCFOや他の社員に「なりすましたデジタルクローン」とのテレビ会議に誘導された。そう、リアルな映像と音声のディープフェイクだったんです!
疑いを持った社員もいたらしいんですが、テレビ会議で「本物そっくり」のCFOが指示を出すのを見て、信用してしまった。結果、香港にある5つの銀行口座に計15回も送金しちゃったわけです。後から本社に問い合わせて詐欺だと判明。これ、僕がもし騙されたら、立ち直れねえ…。
ソース:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB056460V00C24A6000000/
事例2:AIの「声」で22万ユーロ詐欺(ドイツ)
これは少し前の事例ですが、ディープフェイクの「声」の恐ろしさを象徴しています。
ドイツのエネルギー企業のCEOの「声」をAIで完全に模倣し、子会社の幹部に電話で指示。
なんと22万ユーロ(約3,700万円)を送金させたんです。電話の声だけで判断するのは、本当に難しい時代になりました。
どうも最近の合成音声は元の人物の音声データ(数秒から数分、あるいはそれ以上)を大量に学習、
その人物特有の声質、音程の癖、話す速度、アクセント、息継ぎのタイミングなどを詳細に分析し、再現することも可能だとか。
ソース:https://www.lanscope.jp/blogs/cyber_attack_dt_blog/20250228_25331/
事例3:政治・選挙への悪用(韓国、日本、スリランカ)
詐欺だけでなく、政治の世界でもディープフェイクは牙をむいています。
- 韓国大統領選(2025年): 大統領候補が妻に悪口を言う偽映像や、候補者が囚人服を着せられたり、「非常戒厳を宣言し国会議員を逮捕する」と威嚇する偽動画まで出回りました。選挙管理当局も「取り締まりが追いつかない」と嘆くほどです。
- 日本(2024年): YouTubeに岸田文雄前首相が特定の議員の落選を促すような偽動画が投稿されました。
- スリランカ大統領選(2024年): トランプ氏が特定の候補を支持すると発言する偽動画が拡散しました(音声クローン技術を使用)。
これらの事例は、民主主義の根幹を揺るがしかねない「情報汚染」の恐ろしさを示しています。
2. 「未来予測」じゃなくて「もうそこにある」ディープフェイクのヤバい問題

AIの進化は止まりません。それに伴い、ディープフェイクもさらに巧妙化し、僕らの生活にもっと深く食い込んでくる可能性があります。
2-1. あなたの「本人確認」が突破される!?
- 音声・顔認証システムの危機: 今やスマホのロック解除や銀行アプリ、PCのログインなんかで顔認証や音声認証って当たり前ですよね?
でも、高精度なディープフェイクの顔や声で、これらの生体認証システムが突破されるリスクが高まっています。
なんと北朝鮮のハッカーがAIで面接を突破し企業に潜入しようとした事例もあり、その技術的脅威の一端を示しています。
2-2. リアルタイムでの「なりすまし」詐欺の常態化
- アラップ社の事例は「録画されたビデオ会議」でしたが、今後はリアルタイムでのビデオ通話や音声通話中に、ディープフェイクによるなりすましが行われる可能性が高まります。
例えば、親しい友人や家族、上司からのビデオ通話で、いつもと違う依頼をされた時に「まさかディープフェイク!?」と疑う必要が出てくるかもしれません。
これは、人間関係の根幹にある「信頼」を揺るがしかねません。 - 悪意のあるAIチャットボットが、ディープフェイクの姿で人間になりすまし、個人情報や金銭を引き出すような巧妙な手口も増えるでしょう。
2-3. 「情報汚染」で社会が混乱する時代へ
- 政治家や著名人が実際には言っていないことを言っているように見せかける偽動画、企業の不祥事を捏造する映像、合成画像を使ったフェイクポルノ、社会の対立を煽るような音声など、真偽不明なコンテンツが大量に拡散する可能性があります。
- これにより、何が真実で何が嘘なのかを見分けるのが極めて困難になり、社会全体の不不信感が増大し、混乱を招く恐れがあります。僕ら情報を受け取る側が、これまで以上に情報を疑い、吟味する力が求められるようになります。
3. 「え、やばいじゃん!」と思った私たちが、今すぐできる3つの対策

AIの進化を止めることはできませんが、ディープフェイクの脅威から身を守るために、僕らが今すぐできる対策はあります。
対策1:テクノロジーで「防衛ライン」を張る
- 多要素認証(MFA)の徹底: パスワードだけでなく、スマートフォンアプリを使った認証や、生体認証(指紋・顔)など、複数の認証手段を組み合わせましょう。
声や顔が偽物でも、物理的なデバイスがなければログインできないようにするわけです。
先日証券会社で事件多発したのもこれがあると防げるかもしれないですね。 - セキュリティソフトの強化: AIによるディープフェイク検出機能を持つセキュリティソフトや、不審な挙動を検知するシステムを導入しましょう。
常に最新の状態にアップデートするのも忘れずに。 - デジタルウォーターマーク・来歴管理技術の進化: これは僕ら消費者側では直接できませんが、コンテンツ作成者やプラットフォームが、AI生成物に「これはAIが作ったもの」と分かるようなデジタル透かし(例:GoogleのSynthID)を埋め込んだり、コンテンツの作成・編集履歴を追跡できる仕組みを導入したりすることが重要です。
対策2:常識を疑え!「人」が持つリテラシーを高める
- 「本当に本人か?」の確認徹底:
- 電話やビデオ通話で、金銭の要求や秘密情報の開示など、普段と異なる指示や、緊急性を装った依頼があった場合は、必ず別の手段(テキストメッセージ、別の電話番号への電話、対面など)で本人確認を行いましょう。
「まさか、本物じゃないなんて…」という心理につけ込まれないことです。 - 少しでも不審な点があれば、「いつもと声の調子が違うね?」など、相手に問いかけてみる勇気も必要です。
- 電話やビデオ通話で、金銭の要求や秘密情報の開示など、普段と異なる指示や、緊急性を装った依頼があった場合は、必ず別の手段(テキストメッセージ、別の電話番号への電話、対面など)で本人確認を行いましょう。
- 「疑う力」の強化(メディアリテラシー):
- インターネット上の情報、特に衝撃的な映像や音声に接した際は、すぐに信じ込まず、「これはディープフェイクかもしれない」という視点を持つことが重要です。
- 情報源の確認: どこから来た情報か、信頼できるメディアや公式発表か、複数の情報源で裏付けが取れるかを必ず確認しましょう。
- 冷静な判断: 感情的になったり、急かされたりする状況では、判断力が鈍ります。一度立ち止まって冷静になることが大切です。
対策3:社会全体で「共闘」する仕組みを
- プラットフォームの責任強化: YouTubeやSNSなど、コンテンツが拡散されるプラットフォームは、ディープフェイクのような偽情報を迅速に検出し、削除したり、警告表示をしたりする責任を果たす必要があります。
- 法整備と国際協力: 各国政府がディープフェイクの悪用を明確に規制する法律を整備し、国際的な連携で詐欺グループや情報操作を試みる勢力に対抗することが不可欠です。
私もAIの便利さに感動している一人だからこそ、その「裏の顔」であるディープフェイクの脅威を、皆さんと共有したいと思いました。AIは素晴らしいツールですが、その使い方次第で「光」にも「闇」にもなります。
これからも、AIと共に進化していくわけですが、その危険性から目を背けずに、賢く付き合っていく知恵と対策が、ますます重要になってきますね。