AIエージェントをクラウドサーバーで24時間動かしてみた|VPS構築でつまずいたこと全部
AIエージェントを自宅のPCだけでなく、クラウド上のサーバー(VPS)でも24時間動かせるようにしたい。そんな話を耳にしてしまった以上は試してみたい。 そう思って、AIエージェント自身に構築を任せてみました。「鍵を渡して繋いでもらうだけだから一瞬で終わるだろう」と思っていたのですが、全然そんなことはありませんでした。
この記事では、実際にAIエージェントへVPS構築を任せてみて、何につまずき、最終的にどう動くようになったのかを、正直に共有します。
この記事の前提
先に断っておくと、この構築作業は私が自分で直接コマンドを打ち込んだわけではありません。AIエージェント(Codex)に「VPSでAntigravityというAIエージェントを動かせる状態にして」と依頼し、その作業内容と結果を確認・承認しながら進めた、という形です。実際に手を動かしたのはAIですが、想定外の壁にぶつかりながら進んでいく過程を横で見ていた身として、その実体験を書いています。 とはいえ実際のところ、ログイン操作とかパスワード入力ぐらいはやりました。
なぜクラウドサーバーでAIエージェントを動かしたいのか
自宅のPCでAIエージェントを動かすと、まれにPCの再起動やスリープ、他のソフトの影響などで、意図せず処理が止まってしまうことがあります。常時起動しているクラウド上のサーバーなら、そうした自宅PC側の事情に左右されず、AIエージェントを安定して稼働させられるのではないか、というのが動機でした。 またVPSなら安価にレンタルしてAI秘書等の比較的負荷の軽いものなら稼働する。という話も聞きました。
どうやら1ヶ月契約でも2400円ぐらいで出来そう。年間で25000円以内だし、Mac miniなんて買うと何年分になるだろうか。
それなら試してみたいしそれをCodexで構築できるならパソコンを1台しか持っていない方でもAIエージェントの恩恵を受けられる。と思ったので試してみました。
「鍵を渡せば終わり」だと思っていた
サーバーへ安全に接続するには、鍵(認証情報)を使った仕組みが一般的です。この鍵さえ用意して渡してしまえば、あとはAIが勝手に繋いで設定してくれるだろう、というのが最初のイメージでした。
ところが実際には、この「鍵を渡して繋ぐ」という一番簡単なはずの部分から、何度もつまずくことになりました。
実際に起きたつまずき
繋がったつもりが、実は繋がっていなかった
最初、「鍵認証で接続できました」という報告を受けたのですが、これは誤りでした。実際には鍵ではなく、別の認証方法(パスワード)にこっそり切り替わって繋がっていただけだったのです。この状態に気づかないまま作業を進めていたら、後になって「あれ、鍵の設定、意味なかったのでは」ということになりかねませんでした。見た目上は成功しているように見えても、実際は違う経路で繋がっていた、というのが最初の落とし穴でした。
鍵の合言葉(パスフレーズ)が合わず、作り直しに
接続用の鍵には、合言葉(パスフレーズ)を設定していました。ところがこの合言葉がうまく認識されず、結局、新しい鍵を一から作り直すことになりました。古い鍵はすぐには消さず、念のため控えを残したうえでの作業です。
認証の順番を間違えて失敗
AIエージェント側のログイン認証と、遠隔からの自動実行テストを同じタイミングでまとめて行おうとしたところ、うまくいきませんでした。正しくは、まず人が画面を見ながらログイン認証を完了させ、それが終わってから、遠隔からの自動実行を試す、という順番が必要でした。この順番を守らずに進めると、失敗の原因がどちらの工程にあるのか分かりにくくなります。
遠隔操作の接続がたびたび途切れる
構築が一段落したあとも、遠隔からAIエージェントに指示を出す際、接続が途中で切れてしまうことが何度もありました。単純な指示ならすぐ終わるのですが、少し時間のかかる指示を出すと、原因がはっきりしないまま処理が止まってしまうのです。最終的には、「サーバー側で処理を始めさせておいて、あとから結果だけを確認しにいく」という、接続を長時間つなぎっぱなしにしない方式に変えることで安定しました。
つまずきを踏まえた、実際の構築手順
同じつまずきを繰り返さないために、最終的に整理した手順をチェックリスト形式でまとめておきます。細かいコマンドは環境によって変わるので省略し、押さえるべき流れだけ示します。 前提として、以下をAIエージェントに丸投げしても、全自動では完走できません。「人でないとできない」部分があるからです。
- VPSを契約する。今回はConoHa VPSを使いました。AI秘書のような比較的軽い処理であれば、そこまで高いプランでなくても動きます。
- 接続用の鍵(認証情報)を作る。パスワードでの接続ではなく、SSH鍵を使った接続方式にします。
- 作った鍵の「公開」側だけをVPS側に登録する。手元に残す「秘密」側は、絶対に人に渡したり、AIに読み取らせたりしません。
- 鍵だけで接続できることを、厳密な条件で確認する。ここが最初のつまずきポイントです。「パスワードでの接続を無効にした状態」で試さないと、鍵が効いているのか、単にパスワードでたまたま繋がっているだけなのか、区別がつきません。
- AIエージェント本体(今回はAntigravity)をVPS内にインストールする。
- 人が画面を見ながら、AIエージェントのログイン認証を完了させる。ここを飛ばして次の手順に進むと、原因の切り分けができなくなります。
- ログインが終わってから、遠隔操作(指示を送って結果を受け取る)がきちんと動くか確認する。
- AIエージェントが実際に操作(コマンド実行やWeb操作)を行える状態にする。ただし安全のため、許可されていない操作は自動的に拒否される仕組みが入っているので、必要な操作を1つずつ確認しながら許可していきます。
以下のタイミングで人の作業が必要になります。
- ステップ1(VPS契約・課金): 支払いが発生するので、ここは自分で操作する必要があります
- ステップ2(鍵のパスフレーズ設定): パスフレーズは自分だけが知っている状態を維持したいので、AIに代わりに設定させません
- ステップ3(VPS管理画面への公開鍵登録): VPSのアカウント自体へのログインが必要な、自分の操作領域です
- ステップ6(人が画面を見ながらのログイン認証): まさに「人でないと通せない」ようにわざと設計されている部分です
こうして並べると単純に見えますが、実際にはこの手順のどこか1つでも順番を間違えたり、確認を飛ばしたりすると、原因の分からないエラーにぶつかります。私たちが実際につまずいたのも、まさにこの部分でした。
最終的にできるようになったこと
いくつものつまずきを経て、最終的には次のことができる状態まで持っていけました。
- 遠隔から質問を送り、AIエージェントに文章で答えてもらう
- AIエージェントに実際の操作(コマンドの実行)をしてもらう
- Webページの内容を取得・確認してもらう
- ログインが必要なページで、実際にログインフォームへの入力から送信まで行ってもらう
ここまでできると、自宅PCを常時起動しておかなくても、クラウド上のAIエージェントに一定の作業を任せられる状態になります。ただし、AIエージェントが実際に操作を行う際には安全確認の仕組みがあり、許可していない操作は自動的に拒否されるようになっています。これは、想定外の操作を防ぐための仕組みなので、必要な操作を1つずつ確認しながら許可していく、という地道な作業が別途必要になります。
これからVPSでAIエージェントを動かしたい人へ
一連の作業を振り返って感じたのは、「AIエージェントを動かす」こと自体より、「AIエージェントが安定して動く土台を整える」ことの方が、圧倒的に時間がかかるということです。特に、接続まわり(鍵・認証・安全確認の仕組み)は、地味ですが一番つまずきやすい部分でした。
もしこれから同じようなことに挑戦するなら、「AIに任せれば一瞬で終わる」という期待は持ちすぎず、半日〜1日程度は試行錯誤の時間を見込んでおくことをおすすめします。
私が使っているConoHa VPSはこちらから確認できます。
まとめ
AIエージェントをクラウドサーバーで24時間動かす試みは、最終的には成功しましたが、「鍵を渡せば一瞬で終わる」という当初の想定とは裏腹に、接続まわりの地味なつまずきが何度もありました。繋がったつもりが繋がっていなかったり、鍵を作り直したり、認証の順番を間違えたり。それでも一つひとつ原因を確認しながら進めることで、最終的には安定して動く状態にたどり着けました。
同じConoHa VPSは、Amazon物販のアカウント管理という別の用途でも活用しています。そちらの実体験はAmazon物販でVPSの固定IPが必要な理由で紹介しているので、あわせてご覧ください。
私のプロフィールはこちらからご覧いただけます。

